「あちぃー」


俺は扇風機の前で麦茶を飲み干した。


「蒼甫、今日は客が多かったろ?」


そう言って缶ビールを飲むおじき。


「うん。すっげー多かった。花火があるし、しょうがねぇよな。おじきも見に行くの?」


毎年、みゆきさんと二人で見に行ってるもんな。


「あぁ。晩飯食った後にな。お前らは行ってから何か食べるんだろ?」


「うん、多分。あれ、優月は?自分の部屋?」


「みゆきと一緒だよ」


「ふぅん」


瀬名がシャワーから出たら出発するかな。





「お風呂いただきました」


シャワーを済ませた瀬名が、リビングに入って来た。


俺はグラスに麦茶を入れて、瀬名に手渡した。


「おっ。サンキュー」


「あっち行ってから何か食うだろ?もう少ししたら出ようか」


「うん」


その時、みゆきさんが寝室から出て来た。


「みんなに見せたいものがあるのよ。きっと驚くわよ」


そう言ってみゆきさんがニコニコ笑う。


見せたいものって何だ?


「優月ちゃーん。出て来ていいわよ~」


ん?優月?