優月が瀬名の隙をついて、なんとカメラを奪い返した。


ビックリする瀬名に対して、優月はふふっと笑っている。


得意気な顔しちゃって。


こっちは二人いるって事、忘れてないかい?


俺は優月の背後から、いとも簡単にカメラを奪う。


「あーっ!」


優月ちゃん、残念だったね。


優月が怒って追いかけて来る。


俺は逃げ足も速いぞ。


でもあえてゆっくり走る。


追い付くか、追い付かないかの距離で。


必死に走ってコレじゃあ、俺には一生追い付かないよ?


その時だった。


俺の後ろでバタッという音がした。


何の音だろうと後ろを振り返ると、優月が思いっきり派手にコケていた。


しかも、顔面行っちゃってる。


こ、これはマズイ…。


ゆっくり体を起こす優月。


顔中、砂だらけになってるよ…。


瀬名が慌てて優月のところに来て砂を払う。


でも濡れた砂だから、なかなか落ちそうにない。


ひゃー、悪い事しちゃったな…。


服も砂まみれになってるし。


「ぷっ」


えっ?


「ふふふ」