「有名?」


「1組の女子に、瀬名君はかなり人気あるからね。入学当時から知ってたよ」


瀬名君ってやっぱり女の子達に人気あるんだね。


「ついでに言うと、友達の神崎君も、ものすごい人気だけどね」


そう言って渋谷君はごはんを口に運ぶ。


「二人とも目立ってるから、1年の中で二人を知らない奴なんて、いないんじゃないかな?」


瀬名君はどう返していいかわからないみたいで、黙って立ち尽くしている。


「じゃあ俺先に行くね。竹内、またね」


「あ、うん。またね」


渋谷君は手を振って、あっと言う間に行ってしまった。


渋谷君って、動きが小動物みたいに素早い気がする。


ちらり瀬名君を見てみれば、私の隣の椅子に座って渋谷君の背中をじっと見つめていた。