なんでだろう?


静止した優月は全然可愛くない。


瀬名が何回撮っても、やっぱり同じだ。


「優月、実はブスだったのか?まるで別人だぞ」


おっかしいなー。


「これ見ろよ。やばいよ、これは」


瀬名も同じように思っているらしい。


「もう、いいでしょ?私は写真写りが悪いのっ!
元がこうなんだから、しょうがないでしょ?カメラ返してー」


優月が必死にカメラを取り返そうとするけど、瀬名が腕を伸ばせば2メートル30くらいの高さになるわけで、届くはずがない。


それでもぴょんぴょんジャンプする優月。


面白い。


あ、さすがにあきらめたか?


あれ?


スネた?


しゃがみ込んでうつむいちゃってる。


ちょっとブスブス言い過ぎたかな?


「優月、ごめん。からかい過ぎた」


瀬名が優月に近づいて、謝っている。


俺も謝るかな。


「おーい、優月ちゃーん。顔あげてー」


反応ねーな。


まさか泣いてる?


その時だった。