「静華ちゃん」


「瀬名君、優月ちゃん。見に来てたんだー」


カップルかと思ったら、瀬名君と優月ちゃんだったんだ。


「もうやらないのか?」


「うん、今日はもう終了。あたしは朝からここにいたのよ。

ねぇ、二人とも毎日バイトしてるのよね?

ここまで通って来るの大変じゃない?」


電車使っても、片道1時間近くは余裕でかかるわよね。


「あぁー俺と優月、蒼甫のおじさん家にお世話になってんだ。そっから通ってるから、今はラクなんだ」


えっ?


今なんて言った?


「えっ?二人ともセイさんの家に泊まってるの?」


「うん。そうなの」


そうなのって、優月ちゃん能天気過ぎるわ。


同じ屋根の下に、高校生の男が二人もいることに、危険を感じないのかしら。


青雲に来て半年、この三人を見てきたけど、優月ちゃんは蒼甫にも瀬名君にも恋愛感情ってなさそう。


蒼甫と瀬名君はどうなんだろう。


てっきり二人とも優月ちゃんが好きなのかと思ってたけど、どちらからもアプローチしないし。


一緒に生活しててもこんな調子じゃ、何も進展はなさそうね。