私達は沢山おしゃべりしながら、みゆきさんのおいしい料理をおなかいっぱい食べた。


「高校生はいいわね。沢山食べてくれて。

いつもは二人だけだから、作り甲斐がないのよ」


みゆきさんがにっこり笑う。


「瀬名君も優月ちゃんも、土、日だけじゃなくて、平日もウチにいていいんだよ。蒼甫もずっといるしな」


「えっ?」


おじさんの言葉に、瀬名君と私は同時に声を出した。


「そうしろよ。二人とも。その方が楽しいし」


それはそうだけど、いいのだろうか…?


「電車で毎日通ってくるの大変でしょう?ここからなら近いし」


みゆきさんまで。


瀬名君は考え込んでいるみたい。


「とりあえず今日はもう疲れたから寝ようか」


そう言って、蒼甫君があくびをした。


私達は歯磨きをすませて、三人でニ階にあがった。


「瀬名は俺と一緒の部屋ねー。優月はこっち」


そう言って案内されたのは隣の部屋。


照明をつけると壁側に大きなベッドがあって、その横には机とソファが置かれていた。


まるでどこかのホテルみたい。


「この部屋、来客用で普段は使われてないんだ。好きに使って。エアコン入れてもいいから」


「ありがとう」


「じゃあ、おやすみ」


にっこり笑う蒼甫君。


「おやすみなさい」


そう言うと私はドアをパタンと閉めた。