店内と言っても屋根があるだけのフロアに入る。


日陰になっているせいか、店内は意外と涼しい。


大きなテーブルが8卓くらいはあるだろうか?


「セルフサービスにはなってるんだけど、優月ちゃんは主にホールを担当してもらおうと思ってるんだよ。

あとはかき氷とドリンクの販売をお願いしたいんだ。

これエプロンね」


やっちゃんに紺色のエプロンを手渡される。


もしかしてとは思ったけど、エプロンには『やっちゃん』と書かれていた。


「あっ、優月」


私がエプロンをつけていると、瀬名君が厨房から出て来た。


「おはよう。わぁ、汗びっしょりだね」


「軽トラから荷物運んでたらこうなった」


「かーっ。あちぃー。やっちゃん、全部運んどいたよ」


蒼甫君も額の汗を拭う。


「二人ともお疲れ。瀬名君と蒼甫は厨房よろしく頼むな」


いよいよ海の家のバイトが始まるんだ。


よーし。頑張るぞー。