でも、どうしても残る疑問と不安。


これは確かめないと。


「蒼甫君、どうして20日の事を知ってるの?」


「えっ?

あ~、と…」


戸惑った顔をして、蒼甫君は急に下を向いてしまった。


言いにくいのだろうか?


その時だった。


「写真だよ」


今まで黙っていた瀬名君が、初めて口を開いた。


その少し低い声にドキッとする。


久しぶりに近くで聞く瀬名君の声。


私はちょっぴりせつなかった。


「写真を見たんだ」


「写真?」


何?


写真ってなんなの?



「優月と渋谷が抱き合ってる写真」


えっ…?


な、なんで…?


「かなり熱い抱擁だったよ。優月は肩がこのへんまで出てた」


瀬名君は少し冷たい口調で言った。


あっ、あの時だ。


渋谷君が私を助けてくれた時の…。


「一体、ここで何してた?」


瀬名君は鋭い目で渋谷君を見ている。


私ではなく、渋谷君を…。