「俺、聞いたんだよ。優月に」


「何を?」


「渋谷を本当に好きなのかって。俺の目を見て言えるかって」


「優月は言えなかった、のか?」


蒼甫はうん、とうなずいた。


優月は渋谷をそこまで好きじゃない?


じゃあ、なんで付き合ってるんだ?


じゃあ、あの写真は一体何なんだ?


俺らはあの画像と甲斐が言っていた話だけを信じた。


優月に確かめもせずに。


「だからさ、瀬名。今日確かめよう。俺と」


優月、もしかして俺はとんでもない勘違いをしてたんじゃ…?


「あぁ。わかった」


俺は怖かったんだ。


優月に本当の事を聞くのが。


ごめん…、優月。