「ついでに言うとさー。
あの子が生徒会に立候補することになったのって、あたしがクラスの女子を巻き込んだからなんだよねー」


「はぁっ?」


「すぐに味方になってくれたわよ。
もともとウチのクラスの女子って、あの子のこと、よく思ってない子ばっかりだったからねー」


こ、こいつ。


女でなきゃ殴るんだが。


「数人の男子も味方になってくれたわ。
ひそかにあの子、男子に人気あるから。
あの子を狙ってそうな男子を引き込んだってわけ。
男子にとって、蒼甫や瀬名君はジャマな存在だからねー」


「竹内が生徒会に入ることで、お前に何のメリットがあるんだよ」


「わからない?瀬名君から、引き離すことが出来るじゃない」


「はっ?それだけ?」


「それだけ、じゃないわよっ。それが大事なんじゃない!」


コイツ、昔と全然変わってない。


何ひとつ…。


「でも、さっき見た感じじゃ、蒼甫は吹っ切れてたみたいね。
何があったのかしら?」


確かにそうだった。


神崎の顔は、本気って顔だった。


「蒼甫が今後どういう動きをしても、私はもうどうしようも出来ないわよ。
渋谷が優月ちゃんをしっかり繋ぎ止めておいてよね」


言われなくても、そうするつもりだ。


竹内が、まだ俺に本気じゃないってことは分かってる。


でも、ゆっくり好きになってもらうつもりだ。


「私はこれから瀬名君にアタックしていくつもりよ」


コイツ、本当に動き出すつもりらしいな。


俺も絶対負けられない。


神崎には…。