「瀬名君よ」


瀬名?


「瀬名君、いっつもあの子のそばにいるんだもの。

始めは近づくの大変だったわ。

やっと最近、あの子を離すことに成功したんだから。

今がチャンスなの」


離す?


どういうことだ?


「よく瀬名が、竹内から離れたね。

俺も不思議だったんだ。

最近、全然一緒にいないから」


そう言うと、甲斐の表情が変わった。


「理由はコレよ」


そう言って見せられた携帯の画像。


それは…。


俺が竹内を抱きしめている画像だった。


竹内の肩があらわになっていて、下着が見えている。


俺は竹内を強く抱きしめていて、竹内も俺にしっかりしがみ付いている。


よく知ったヤツなら、これが竹内と俺だってちゃんとわかる画像だ。


竹内が襲われた日の画像。


なんでこんな画像が。


「ま、まさか…!」


甲斐が冷たい瞳をして笑う。


「そうよ」


「甲斐っ!」


「あたしが上級生に頼んで、襲わせたの」


「お前、何考えて…」


「彼女には触れさせてないわよ。
ただ、派手にブラウスを引き裂くようにってだけお願いしたの」


「お前、なんてことを」


「写真も上級生に頼んだわ。なかなか良く撮れてたわね」


こ、こいつ。


なんでそこまでする必要が?