「そんなにイヤなのか?俺がそばにいるの」


蒼甫君が慌てている。


「ちがっ…。そうじゃな…っ」


うぅぅ。声にならない。


「優月、泣くなよ」


蒼甫君が私の涙を長い指で拭う。


「近くに…いて」


やっとのことで、声を絞り出した。


「そばに…いたい」


蒼甫君がビックリしたように目を真ん丸にしている。


でもすぐに優しく笑って。


「サンキュ」


そう言って私の頭を撫でた。