その日は一日、転校生の話題でもちきりだった。


静華ちゃんはすごく美人でスタイルも良いから、それだけでも注目されるのに、蒼甫君と幼なじみというのがかなり衝撃的だったようだ。


静華ちゃんはサバサバしていて、男子はもちろん、すぐに女の子達とも仲良くなっていて、ホントに転校生なの?と思うくらい、すっかりクラスに馴染んでいるみたいだった。


そして、昼休憩。


売店でパンを買っていたら、渋谷君と偶然出会った。


「渋谷君、あけましておめでとう」


渋谷君に会うのは久しぶりだ。


「おめでとー。今日はパン?」


「うん。ちょっと寝坊しちゃって、お弁当作りそびれちゃった」


「時間ある?良かったら一緒に食べない?」


「うん。いいよー」


私達は売店の前にある長椅子に座った。


「竹内のクラス、転校生の女子が来たんだって?ウチのクラスのヤツらが騒いでたよ」


もう1組にまでウワサが広がっているんだね。


そうだよね。転校生なんてめずらしいし。


「そうなの。
私ね、その人知ってたからビックリしちゃって」


「え、知り合い?」


「蒼甫君の幼なじみなの。
冬休みに知り合って」


「へぇ…。名前は?」


「甲斐静華ちゃんっていうの」


「えっ?かい…?」