【全壊】





ウソ……でしょ……?


全壊のボタン。

そんなの誰も使わないと思っていた。

こんな残酷なボタン絶対誰も押さないと思っていたのに


「どうしてよ!私は何も関係ないでしょ!!」

全壊と表示された画面を見た美和ちゃんは

いつもの弱気な様子はもちろんなく抗議した。

完全に、自分は選ばれないと思っていたんだろう。


「何もしないことがいい事だと思うなよ。」

小城さんは低く小さい声でつぶやくそれは、

助けてほしかったという事を表しているんだろうか。


「あんたらみんな最低なんだよ」


いや、違う。

その睨みつける顔は、日ごろから私たちに恨みを感じているような

表情だった。