センタク者を刺激しないように、というのは今更
さんざん小城さんをいじめてきた菜穂ちゃんには使えない。
だから、たぶん
いつも通り、権力で言うことを聞かせようとしてるんだと思う。
「っくくく……甘いね、甘すぎる」
だけどそんなもの、このゲームでは意味が無かった。
だって優位な立場にいるのは、センタク者だから
「ふはははは、あんた達ってぬるい、本当ぬるい……。」
小城さんがブツブツとだけどハッキリ聞こえるように言葉を発する。
「ぬるいこと考えすぎなんだよ」
そうやって一段と低い声を出し、菜穂ちゃんをにらんだ瞬間、
小城さんは勢いよくボタンを押した。