お神輿からお出ましされたのは、ほっそりとスリムで美しい女性でした。


「どこが悪いんですか?」

ドクターが尋ねました。


「口と頭かな」

女性は不敵にふふんと笑いました。

それは魅力的で、ドクターもお神輿を担いでいた男衆も皆うっとりと彼女を見つめました。



「・・・定時になりましたので、わたくし退勤させて戴きます。ばっかじゃないの・・・」



張りつめた勤務の疲れが、わたしの両肩にのし掛かっていました。

一刻も早く帰りたい。

わたしはICカードをリーダーにかざすと、歩きながら白衣を脱ぎ捨てたのです。