義之の隣になった女子は内田さんは、普通に席をくっつけて、普通に義之に接する。


普通の事なのに、千葉に来てから暫く経験して無かった為、義之は照れて恥ずかしくなっていた。



久しく忘れていた女子との会話…
楽しいというより戸惑いや恐怖が最初はあった。



少しずつだが、雪解けするかのように義之のわだかまりが解けて行く。



そうなると、今までつまらなかった学校生活が楽しくなってくる。



相変わらず運動は出来なくても表情は明るくなり、顔つきもどこか自信が出てきた義之に友人が声をかけた。



「お前、内田の事、好きだろ?」


「えっ?」



表情が固まる義之。



友人曰く、楽しそうに話す義之を見ての事だった。


思春期の中学生となれば、こういう話題は良くあるもんだ。



だが、1年以上も女子達と冷戦状態にある義之に、恋バナが出るとは思えず義之は笑って否定する。