少し弱々しい声で喋る響子。


「いつ引っ越すの?」


平静装う為、少し悪態をつく義之。


「1時間後にはこの町にいないよ。」


「そうか・・・手術頑張ってね。」


「ありがとう・・・まぁ頑張るのは医者だけどな(笑)俺は何もできん。」



結局、考えが纏まらなかった義之は、気の利いた言葉が出てこない。


・・・・・・。


少し間が空き、気まずくなった義之は歩き始める。



響子の横を通り過ぎて、2~3歩前に進んだ所で、また響子が喋り始めた。



「義君は、自分に魅力が無いって言っていたけど・・義君の魅力に気付いている女の子もきっといるから頑張れ!」



以前、モテないってネガティブな話をした事があったな・・・と思い出す義之。



そこのタイミングで言うって事は・・


「もしかしてお前か?」


って、言いそうになるのをグッと我慢する義之。