病気が発覚してから義之は夜が嫌いになった。



体に負担がかからないように、規則正しい生活をしないといけない為、夜9時には寝ないといけない。



しかし、疲れてないから直ぐに眠れない。



眠れないと、どうしても考える事は病気の事やネガティブな事だった。



「朝起きたら、脳内出血を起こして死ぬかもしれない」


そんな恐怖が頭を過る。



可能性は低いとはいえ、過去の症例があるだけに、弱気になっていた。


義之は、見えないプレッシャーに潰されそうだった。



好きな野球が出来なくなって、夢を失いかけている義之は弱りきっていた。



夜になると、孤独を感じ恐怖を感じていた。



そんなある日の放課後…



ぽかぽか陽気に誘われ、義之は屋上で寝転び、青空を見上げていた。


雲がゆっくり流れるのを見ていた。



ガチャ!

屋上のドアを開く音が聞こえる。



基本的に屋上の出入りは禁止されているので、先生が来たと思った義之は焦る。


しかし、現れたのは、響子だった。