---夕日の後光が響子を照らす---



(冗談だよな?武志は?)



予期しない言葉に混乱し硬直する義之。



一瞬の沈黙が二人を襲う。




何か話さないと!



そう思った義之が、言葉を捻り出そうとした瞬間。



「こら~お前達!」



「もう下校時間は過ぎているぞ。早く帰りなさい」



見回りの先生が現れる。



二人は慌てて帰る準備をしてそそくさに帰る。



学校から家の方向が全く逆の二人。



その後会話する事も無く帰路に向う。



義之は、帰路の途中に考えていた。



(…義君が好きだよ!)


自分をからかって言ったんだよな?



真意はわからないが、響子の言葉にドキっとして思い返す…。



武志との恋を応援するって心に決めたはずなのに・・・。



頭の中で色んな思いが駆け巡っていた。