義之は困っていた。



勇気ある発言をした女子生徒に、お礼を言えないでいた。



そもそも女子は全員敵と思い敬遠していたので名前すら知らない。



加えて人見知りの義之…



……中々近寄れない……


ソワソワ、ウロウロする義之



声をかけようと女子生徒の様子を伺う。



自然と目で追いかけ、耳を傾けているうちに、名前だけはわかった。



彼女の名前は、響子といった。



名前は分かった…


だが、依然として声をかけられない義之。



何気なく彼女を目で追い…。




彼女の声が聞こえると耳を傾ける。



そんな日々が続いた。



その行為が恋心だと気付く時が来る…




--------ある日の放課後--------



友達と野球をやっていた時だった。



試合も終盤になった頃に、響子と女子一人が見学にきた。