しかし、私には婚約者がおります。 陽人さんではない方が…。 陽人さんがお帰りになって 私はひとりで庭の桜の木を眺めてみる。 淡いピンクがひらひらと舞う。 「来年も再来年もずっと2人でこの桜をみよう。いや、いつかは俺達の子供と一緒に見ないとな…」 陽人さんの言葉を思い出し、 1人で喜びに浸っていた。 その時、 「紅ちゃん。」