〜彼女の憂鬱~


俺「ただいま」

「おかえり」と言いながら母さんが玄関にきた。
笑顔だった母さんの顔が驚いた顔に変わる。
母さんの目は彼女に向いている。

母「えぇっと…高のお友達?見たことない子ね」

俺「お友達というか…さっき知り合って…
帰る家がないっていうから…連れてきた」

母「は?連れてきたって…」

俺「ほらねえちゃんが使ってた部屋空いてるし」

母「それはそうだけど…
あの、貴女は家出してるのかしら?
なら早く帰ったほうが…」

女「いえ、家出ではないです」

母「……」

俺「あの、母さん。彼女をお風呂にいれてあげてくれないかな?外にいたから身体冷えてると思うし。」

母「え、あぁ。貴女、お名前は?」

女「あ、ユリ…華島ユリです」

俺ははじめて彼女の名前を聞いた。
(名前がわかったところで女と書いていたところをユリのユと修正しよう。)

母「ユリちゃんね。今日は夜おそいし、とりあえず泊まっていって。」

ユ「え?いいんですか!?」

母「…えぇ。とりあえずお風呂であったまって。」

ユ「あ、着替えが…」

母「女物の服ならあるから貸すわ」

ユ「ありがとうございます」