~出会い~



だんだん温かくなってきた春。
出会いと別れの季節ですね。
この物語をお楽しみあれ

俺は夏野高(なつのこう)。
ある秋のとっても冷えこんだ日だった。
俺はまだ18で高校生、家の近くのコンビニでバイトをした帰りだった。
俺より少し年下だと思われる女の子が、
人通りの少ない道のはじにある花壇に座りうずくまっていた。
どうしようかと考えたが、心配なので声をかけた。

俺「あの…どうしました?」

女「え……」

俯いていた顔を上げた彼女。
目があかく腫れていた。
泣いていたのだろうか。

俺「あ、急にすみません。心配だったので…」

女「……お優しい方ですね」

彼女の顔は当然だろうが笑っていなかった。
俺は彼女が薄着なのが気になった。
秋なのだから夜となると寒いだろう。
俺は上着を脱いで彼女に着せた。

俺「少しは温かいかな?」

彼女はすごく驚いた顔をした。
それはそうだろう。
いきなり知らない男に声をかけられ、上着をかけられたのだから。

女「あ、すみません。ありがとうございます」

俺は彼女の反応に驚いた。
警戒心がないのかな?
知らない男の人の上着をはおっている。
俺がはおらせたのだが…

俺「えぇっと。どーしたの?」

女「ちょっと……いろいろあって。」

俺「そっか。もうだいぶ夜おそいよ?
お家帰らないの?家の人、心配しない?」

女「あー。大丈夫なんです。」

俺「……。帰らないの?」

女「……帰る家、ないので。」

俺「え……?」

困ったことになった…
彼女をここにおきざりにはできないしな…
世の中物騒だし…

俺「とりあえず俺の家くる?」

女「え?」

俺「いや、あの一人暮らしではないけど…
ねえちゃんが家でたから部屋空いてるし」

女「でもお家の方に迷惑じゃ?
見ず知らずですし…」

俺「大丈夫だよ。」

俺はこの時、なんの根拠もないのになぜかそう言っていた。

女「では…1日だけ…」

次回…


~彼女の憂鬱~