急にお礼を言ったのを不思議に思ったのか首を傾げた陽向。


『陽向だよね……?熱で倒れた時に支えてくれたの』


「あ、うん。そうだよ。どういたしまして!」


『あの日は、二日くらい前から風邪引いてて……大人しくしてたけど、木野がまた人を連れてきた日だった。』


「っ……」


少し瞳を揺らした陽向。


そしていつの間にか静かになっている部屋。


それに構わずまた話し出す。


『高校生くらいの女の子。そして中学生くらいの男の子。二人が連れてこられた。わたしはもちろん助けた。……でもやっぱりそうすると、私が代わりにされる』


「あい、な…ちゃ……」


『わたしが風邪引いてるのなんて知らないから、いつも通りに……暴力振られて犯された』




ぎゅ……


わたしが無理して話しているのかと思ったのか、陽向は優しく抱きしめてきた。