「僕のことは陽向でいいからね〜」
「俺のことはもちろん航な!」
その様子をじーっと見てた二人が急に言ってきた。
『……うん、わかった。陽向、芳野』
「やった!」
「はあ!?」
わざと航のことを芳野というと案の定航は激怒した。
「は!?俺が航でいいって言ってんのにわざわざ苗字で呼ぶか!?」
『……航、五月蠅い』
「お、おう!」
注意したはずが名前で呼ばれたことしか耳にはいっていなかったようで、なぜか喜んでいる。
「……馬鹿」
久遠が言った言葉も聞こえないほど舞い上がっているのか鼻歌まで歌っている。