「ほーら、だからおいで?」

そう陽向に言われて、わたしは部屋の中に足を踏み入れた。



「ようこそ、雷王へ」


と、ウインクしながら言う芳野航に寒気がして思わず身震いをする。



「……きも」


「なんだと!?」



ダークブラウンの髪色をした優しそうな顔の男の人は芳野航に毒を吐いてから、わたしを見てにこっと微笑んだ。



「……初めまして、かな。俺は片桐 優和 - kagiri yuuga - 。よろしくね」


「日留川 久遠 - hirukawa kuonn - 。」


自己紹介を始めた片桐優和さん。


そしてその後ろのソファーに寝転んでる日留川久遠さんが自己紹介をした。



わたしも言わなきゃだめ、だよね……


『……花崎愛奈です』


「うん。俺の事は優和でいいからね。あ、あとそいつは久遠でいいよ」


『わかった。わたしは愛奈でいい』