マモルは話せば話すほど、イメージそのままの人だった。

優しそうな感じだとは思っていたが、彼はホントに優しいんだと思う。

怒りっぽいあたしとは正反対。きっとかなり温厚な性格なのだろう。

マモルはあたしより二歳年上だった。大学一年。詳しくは知らないけど、音楽をやっているらしい。
詳しく聞きたかったけど、『またいつかね』とはぐらかされてしまった。

そういう事はたまにあった。たまにうまく、はぐらかされる。

でもそれが嫌な感じじゃないのだ。それは多分、マモルの優しい声だからなせる技なのだろう。

電話の内容はそんなに込み入ったものではなかった。

今日あったことや、天気のこと。
たまに音楽のことなんかも話した。

マモルの言うクラッシックはよくわからなかったし、あたしの言う洋楽もあまりマモルは知らなかったけど、唯一、GOING STEADYだけはお互い好きな歌手だった。

それを聞いてからマモルからの電話の着メロを、『銀河鉄道の夜』に変えた。それを言うと、マモルも『グレープフルーツムーン』に変えたと言ったから、思わず二人笑った。