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「今日は何時までいれるの?」
このセリフはいつも言ってるから、これだけじゃいつの夢かわからない。
「…残業だって言ってあるから、日付が変わる前に帰れば間に合うよ」
スーツのネクタイを弛めながら呟く。あぁよかった。いつもより長く抱いてもらえる。
スーツの上着を脱ぎ、いつもの様にきちんとハンガーにかけて、ベッドに腰かけるあたしを自然に押し倒した。
綺麗な天井。柔らかいベッド。
あぁそうか。この夢は、二週間前のあの夜だ。
ラブホなんて安いホテルじゃない。ちゃんとした、ある程度高いホテル。
初めはあたしの事を考えてこんないいホテルにしてくれてるんだって勘違いしてたけど、こっちの方が誰かに見つかった時に言い訳がきくからだと後から気付いた。
所詮あたしの存在なんて、その程度で。