…ありがとう、マモル。


あの時、あたしから逃げないでくれて。


怖かった?

怖かったよね。

あたしだったら多分、マモルと同じ決断はできなかった。

それでもマモルが逃げないでいてくれたから、
だからあたしも向き合えたんだよ。


ねぇマモル。


あの時の『ごめんね』の意味、あたしはまだ、わかってなかったね。

謝るのはあたしの方だよ。

いつも自分のことばっかりで、
マモルのこと、わかってあげれなかった。


怖かった。


本当のあたしを見せて、幻滅されるのが。


二人ともそうだったんだね。

二人とも、本当の自分を見せるのが怖かったんだね。


きっと誰もがそう。

誰もがきっと、自分を見せるのは怖い。


でも大切な人にはやっぱり、ちゃんと自分を知ってもらいたいから。

怖くても、やっぱり。


ねぇマモル。

あの時マモルも、そう思ってくれた?

大切だって、思ってくれた?