小さな沈黙が、二人を包んだ。

顔が見えないから、マモルが今何を思ってるのかがわからない。

少しずつ不安が、あたしを侵食していった。

『…チェリ』

しばらくして、マモルの声が届いた。
目を開けて、その声を聞く。

『…ごめんね』

その声はとても小さくて、それでいてとても、悲しかった。

思わず泣きそうになる。

『来たらいいよ』

そのマモルの一言を、あたしは理解できなかった。

黙ってただ、瞬きを忘れる。

『おいで、チェリ。…泣きにおいで』

優しいマモルの声が、あたしのかじかんだ心を少しずつ溶かしていく。
泣きそうになりながら、それでもギリギリのところで堪えて、見えないのに小さく頷いた。

「うん…」

携帯を握りしめる。

「ありがとう、マモル」