…自分だけ傷ついてればいいのに、どうしてあたしは、大切な人まで傷つけてしまうのだろう。

ひとりじゃ傷つけない。誰かを巻き込んでしまう。

そんな弱いあたしが、誰よりも何よりも嫌いだった。


容赦なく酸性雨があたしを包む。

そんな空を仰ぎ見て、思った。


あたしは泣けない。泣いていい資格なんてない。

だからあなたが、代わりに泣いてくれてるんだね。

誰にでも平等に降り続ける、空の涙。


それは思った以上に、冷たかった。