……………
「…つ…っ」
ここのホテルはベッドがよくない。少し動くだけでスプリングが軋む。まぁその方が、相手は燃えるのかもしれないけど。
いつもの様に夜の街で出会ったこのお方。
名前は佐藤さん。いかにも、偽名って感じ。
もしかしたら本名かもしれないし、六本木で働いてるってのも強ち嘘じゃないかもしれないけど、そんなのどうでもよかった。
あたしを抱いてくれて、ついでにお金もくれればそれでいい。
「サクラちゃん…可愛いよ…」
耳許で囁く様に呟く佐藤さん。感じたふりをしてたけど、耳許で囁かれるとホントに感じてくる。
あぁ、あの人はそれをよくわかってる。
だからいつも、耳許を攻めてくる。
その感じを思い出すと一気に体が熱くなり、あたしは簡単にイッた。