「とりあえずあれだな、香華部室に案内っすから来いよ」




差し出された右手に私の左手が重なる。




「香華、」




欲情の混ざったような目で見てくる龍に微笑んで、キスしてみる。

体制はいつのまにか私が龍の上を跨っている。



「今さっきの笑ったお返し」



龍の顔を両手で持ち上げて自分からキスをする。

あれ?龍の顔少し熱い…、龍の頬に人差し指を置いてみる。



「甘ぇよ、俺がこんなんで降参するとでも思った?」



形成逆転とはこのことを言うのか。

いつのまにか私の上に跨る龍。全然思ってませんでした。

龍が私の鎖骨に赤い華をつけてくる。



「って、は?何やってんだよ!!龍、今盛ってんじゃねーよ!」



まさかの雨が降り、サッカー部は解散になったらしい。

そこへ部室にやってきた知捺くんは顔を真っ赤にして、龍に怒鳴っている。


知捺くん、まさか…純情なの?