背中が熱い、龍の視線が背中に刺さる。

授業が終わり、帰ろうとすると龍が運動着のまま走ってきた。



「香華っ!てめ…、」



腕を引っ張られて、龍の方にそのまま倒れる。

慌てて起き上がろうとすると、龍の腕が私の背中を押して再び龍の中へ戻る。




「部活終わるまで待ってろ」




私の下に龍が居て、龍は力強い瞳で見つめてくる。

その瞳に魅せられるように、私は頷いた。



「香華、図書室で待ってろ」



元々、本が好きな私にとって図書室は天国のような場所だ。


だから少し嬉しくて、頬を緩めて頷いた。

おずおすと龍が私の背中から腕を離してくれたから、起き上がる。

龍は立ち上がり、階段をゆっくり下りていく。