「今日は水野楽器の佐久矢さんがいらっしゃいます。コンクール前最後だから、みんな隣の準備室に来なさい」 「「はいっ」」 顧問の先生の声が、少し蒸し暑くなった音楽室に響いた。 外を眺めていると、あっというまに行列ができた準備室。 仕方なく最後尾に並ぶ私。