「でも、本当に佐久矢さんだったらどうしよう…って思った。それで、今日ヒロト君がサクだったって初めて聞いたときは少し……ホッとしたんだけどね…………」



そこまで言うと、佐久矢さんは私をギュッと、強く抱きしめた。



「うん……それで?」





「それでも……サクが佐久矢さんじゃないことにショックを受けた自分もいたの……」


「うん……」

更に抱きしめる力が強くなっていくけれど、気にしない。

苦しいけれど、言葉を続ける。



「私はね……サクが好き。サクに恋してた。でも、それ以上に………佐久矢さんが好き」