「うっわ!やべ、行くぞ!」

背の高い男は俺の手を引き逃げ出した。

「おい、ちょっと!何で俺まで!」

しかし、男の手を引く力は相当強く俺は、ただただついて行く他なかった。

繁華街から抜けて少し離れた川の橋の上まで来た。

「くぁー!ここまで来りゃあ大丈夫だろ」

俺は久々に走ったせいで、膝に手をつきうなだれていた。

「はぁ・・・はぁ・・・な、何なんですか、あなたは?」

「お?おお、見てたぜ。なかなかやるじゃん!お?てか、同じ学校かよ!」

同じ学校かと言ってきたが、そいつは制服でもなかったからそんなこと分からなかった。

「俺、橘!橘桔平ってんだよ。宜しく」

桔平は無邪気にそう言ってくる。

「俺は・・大野隆志」

「たかしかぁ」