「なぁ、あんたらやめろよ」

俺は輩の後ろから声をかけた。

「ああ?」

「嫌がってんだろ?」

「お前、誰に言ってん・・・の!」

次の瞬間、輩の一人から拳が飛んできた。

やられる。

そう思い目をつむった瞬間、飛んでくるはずの拳の重みが顔には来なかった。

拳は俺の顔の前でもう一つの手を介して止まっていた。

「なかなか、勇気があるじゃん?」