「緒方くんは、情けなくなんかないよ」
緒方くんの手は大きくて、私の手を重ねてみても全然包み込めない。
私はいつも、この大きな手に助けられてきた。
「私、いつも緒方くんに助けられた。たくさん守ってくれた。
緒方くんのかっこいいところ、いっぱい知ってる。
本当にありがとう」
「…………」
緒方くんと私はお互いに見つめ合う。
ドキドキとする、夏の夜のふたりの空間。
「私は、そんな緒方くんが大好き」
私が言葉の続きを発したとき……。
──ヒューッ…………バンッ!!
っと、大きな音が空から聞こえて。
びっくりしてその空を見ると、打ち上げ花火が上がっていた。
「わぁ…!!キレイ…!!」