*美結side*



「つぎ、相川!」


ドキドキ…


今この瞬間。

今月の放課後の自由が決まる。


「は〜い」

「相川………」

「はい?」

お?

いつもと違うよこれ。

いつも怒ってる風なのに

この名前のあとの沈黙…

まさか…まさかの…!?


「はい。安定の点数だな。そろそろ二桁くらいは取れ」

「え!」

チラッと今渡された物を見てみると…

【4点】


と、赤い力のこもったペンで潔く書かれていた。

そう。
今は中間テストを返却されている。

合計点数が500点満点中50点取れなかった人は今月の放課後全て補習なんだよね。

だから最後のこの教科にかけてたのに…!


「美結〜…どうだった?合計50点いった…?」

後ろから不安そうな声。


「奈々ぁ…(泣)」

「やっぱだめだったか。どんまい」

「グスン…」

私の合計点数は20点。


余裕で補習…。

うわぁぁぁぁん!

やだよーーー!!


「あ、美結。涙目はやめな」

「え〜なんでよ〜…」

はぁ…とため息をついてから奈々が言った。

「なんでって…
男子たちが顔真っ赤だから」

え?

「いや、それ私のせいじゃないよね?」
「美結のせい」

そ、即答された…


なんで!?



まぁ…
たしかに私たちをみんな見てる気はするけど
それは、奈々がモテるから。