歩side


「はあ?凛に会った!?」


倉庫に響き渡る俺の声。


「まあまあ、カリカリすんなよ。」


「いや、するだろ!!
学校来ねえと思ったら
ちゃっかり凛に会ってたんだもんよ。」


いつも学校には顔をだす
皐月が、今日は珍しく来なかった。


きっと女だろう。


とは思ったけど、まさか凛なんて…


「凛、今日泣きながら
学校飛び出して来たんだよ。
だから俺、拾ってあげたの!」


「凛が泣きながら学校を!?
おい、なんかあったのか?つうか、俺何もしらねえぞ!」


「だからカリカリすんなっての。
凛な、この間の友達とちょっと揉めたみたいでな~」


「まさか…嫌がらせされた?」


「多分ね。」


俺のせい。
俺が夏ちゃんにキツイこと言ったからだ。


「歩は何もすんなよ?」


「あ?何で!!」


「歩が絡んでんのは間違いないけどさ、そーゆうのは本人たちが話つけなきゃ意味がないから。
凛も強くなる時なんだよ。今は。」


「俺もそう思うぞ!」


寝てたはずの仁まで言い出した。


「っんでだよ…
俺何もできねえじゃん。」


「今、お前が出て凛を庇ったて意味がねえんだよ。
そんなんじゃ、凛は本当の友達の意味がわかんねえの!



本当の友達…


皐月が言うと妙に説得力がある。


「…わかったよ…大人しくしてる…」


凛も頑張りどきってわけだな。