数週間前、私たちを助けてくれたお兄さん。



見た目は凄く恐い。


金髪だし、髭だし
ピアスがいっぱいついてるヤンキーさん。


その日…夏ちゃんと
宇美ちゃんと塾の帰りに
少しお喋りをして帰っていた。


夏ちゃんは、
小学生からの幼なじみ。

宇美ちゃんは、中等部からの友達。


「今度、ウチで兄の誕生日パーティーをするの。
宇美も来ない?」


「もちろん行くわ!
懍もくるのよね?」

誘われてない…



「あ…行っていい?」


「もちろんよ。
懍がくるなら兄も喜ぶわ。」


そんな会話をしながら
歩いていた時…


大きな音学を響かせながら走るワゴン車が、
私たちの横に止まった。


男の人ふたりが、後部座席から降りてきた。


そして私と宇美ちゃんの
肩に絡んできた。


怖い…


「こんな時間に昼が丘のお嬢様がどうしたの?」


「何なの?あなたたち!」


夏ちゃんが強気で立ち向かう。


「そんなに恐い顔しないでよ~。
俺たち遊びたいだけなんだから~」


そう言って夏ちゃんに抱きついた。


「キャアーッッ!!…」


「おいッッ…でっかい声出すんじゃねえ!!」


3人の男に車に押し込まれた。



車の中は変な匂いが充満している。