「じゃあさ、逆にどうしてそんなことを聞いたの?」
「え、なんか可愛いなって思って」

さらり、と答えた途端、彼の瞳が丸くなって、それから少しずつ顔が赤くなっていった。
赤い顔を見られたくないのか、うつむき加減になる。

「あー・・・可愛いとか、言われても、嬉しく・・・ない!」
「真っ赤にして言われても説得力ないぞ、可愛いやつめ」
「可愛くないっ!」

食べ物を含んでるわけでもないのに、頬を膨らませて、上目遣いに私を睨んできた。
ちょっと瞳が潤んでいるのが、小動物みたいで一層可愛い。
こういう可愛い子はいじめたくなるのが私の性だ。
口元が緩みそうになるのを我慢して、私はわざと悲しそうな顔をした。