・・・だが・・・


幸せは そう長くは続かなかった
別れの選択をしなければ
いけなくなったのだ。


「オレたち 結婚するから」


二人揃って 両親に承諾を受けに
真二の実家を 訪ねた。


(前もって 真二は 母親には
あたしと結婚したいという意志は
伝えていたらしい)


真二の両親は 結婚するなら
と あたしの素性を 調べたらしく
猛反対だった。


施設に預けられてたあたし
そして 今は借金だらけの家庭


おまけに学生時代 家出をして
真二の家に入り浸り
そんな娘を注意しない親


それが理由だった。


「菜摘さんのことは 嫌じゃないのよ!
かと言って あなたの家庭までは
面倒見れないからね
いつか菜摘さんも 親になったら
解るわよ あたしたちの気持ちが…!
それに あなたは まだ 19歳でしょう?
あなた高校を卒業して間がなくて
若いじゃない!
だから勢いで結婚とかして
欲しくないわけよ」



って・・・
手切れ金まで用意されていた。


もちろん受け取るつもりもなく
封筒に手を添えることもなく
そのまま家を後にした。