大好きだった。





あの頃の私は、あの人だけが自分の幸せだった。






何もかも捨てていい。何もかも消えてもいい。






でも・・・あの人だけいればいい。そう思うくらいだった―――でも、君に私は必要なかった。






×      ×      ×







「ふざけんじゃねぇ!!」







そう言って私はお腹を殴られる。






私は自分を守るように、部屋の端っこに逃げ込む。母は私のもとに来てかばってくれる。






母は私をずっと抱きしめ、代わりに暴力を受けた。




母は暴力を受けている間笑顔を絶やさず・・・大丈夫だよ。そう言った。