紹介したい人……?
お兄ちゃんが誰か連れてきていいかって聞くなんて初めて。



もしかして……お兄ちゃんの彼女とか?



――ズキッ



その考えが頭をよぎった瞬間に胸がいきなり痛くなり抑える。



何、この痛みは……?
こんなの初めて。
胸の奥を刺すような鋭く痛みを感じて手で抑えていると視界にお兄ちゃんの顔が映った。



「……珠美?どうした?具合でも悪いか?医者呼ぶか?」



心配そうに顔を歪めていつものお兄ちゃんの質問攻撃が始まっていた。




「……だ、大丈夫だよ。なんでもないから」



多分、うまく笑えていないそんな気が自分でもわかった。
なんなんだろ……今日おかしい。


お兄ちゃんが彼女を連れてくるかもと考えたら……いきなり胸に鋭い痛みが突き刺さっていた。
なんで……?



「……珠美?俺の顔に何か付いてるか?」




気付かないうちにお兄ちゃんの顔をガン見していたらしくて、そんな私をお兄ちゃんはキョトンとした驚いたような顔で私のことを見ていた。




やっぱ、今日の私おかしい……。





「……ねぇ、お兄ちゃん……?」





「……どうした?」





必ず私が呼ぶと優しい声で返事してくれて優しい眼差しで私を見てくれるお兄ちゃん。
いままでは、なんとも思わなかったのに……でも、今日は何かが違う。





胸が締め付けられて苦しいそんな錯覚を感じてしまう。





「……紹介したい人って……女の人?」