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「……ん……」



目の前には見慣れた病室の白い天井。

いつから寝てたんだろ……?
頭が働かずボーッとしてしまう。


顔だけを右に向けるとベッドの端に座りベッドの端に頭を預けている人のシルエットが見えた。


誰?
体を起こすと眠っているその人が見えた。


「……慎お兄ちゃん……」



そこで静かに寝息を立てて目を閉じて寝ていたのはお兄ちゃんだった。
右手が温かいなと思ったらお兄ちゃんの手が私の手を優しく包み込んでくれていた。



「……ん〜……?珠美……!!」


少し手に力を入れてお兄ちゃんの手を握りしめ返したら、お兄ちゃんは綺麗な整った顔を一瞬歪めて閉じていた瞼を開けて起きている私を見て驚いていた。



「……お兄ちゃん?」


カラカラに乾いている喉から声を振り絞るように出すといきなり、視界が真っ暗になったと同時に大好きなお兄ちゃんの匂いに包まれていた。



「……珠美、良かった。一週間も目を覚まさないから心配したんだからな……。でも、良かったホントに。母さんなんか、寝ないで毎日傍に居たからさすがに帰って寝てもらってる」


――一週間も……?
一週間も寝てたの……?



「……っっ……!?……っ……」



声を出そうとするけど、一週間も水を飲まないで声を出さなかったせいかさっきのように声が出てくれなかった。



「……あぁ、水飲むか?」



お兄ちゃんは私から少し離れると声が出ないことを察してくれたらしくて水を持ってきてくれた。



水をお兄ちゃんから受け取ってゆっくりと喉の奥に流し込む。



「……ありがど……」



声を出せるようになったけど、喉が枯れていて声が掠れていた。




「無理して喋んなくていいよ」



お兄ちゃんは私を見て優しく微笑み頭を撫でてくれた。




安心する……。




「……明日、珠美に紹介したい奴いるんだけど、此処に連れてきてもいいか?」