「重い」
「じゃあ、これなら」
「鬱陶しい」
「つれない」
なので、ミナナの横で寝てみた。
狭いベッドだ。否応なしに密着してしまう。
「あの後から、俺はミナナのことでいっぱいだよ。もう、空っぽじゃない」
「あの時のあなた、私を『お前』と呼んでいましたね」
「ミナナ、ミナナ、ミナナ、ミナナ」
「はいはいはいはい、寝かせて下さい」
ごめんね、の代わりに名前を連呼する人の頭を撫でる。
――離れようとしたのになぁ。
なんで、一緒にいるのか。何度も考え、分からないからこそそのままでいる。
「あの後からあなたは、更に凶悪になりましたよね」
成長した悪魔とも言うべきか。空っぽから脱却し、ミナナいっぱいな彼はまず――