言った瞬間、銃声。いきなりのことで、ベーグルサンドを落としてしまった。
「……、は?」
呆ける“猫”。
壁の穴を見、硝煙揺らめく銀銃を見た。
「……、あれ?」
と言ったカルツが、銀銃を眺める。
自身のした行いが解せないと言わんばかりに首を傾げる。
「殺されるかと思いましたが……」
「いや、そんな気はなかったんだけど……」
当人が分からないのであれば、心臓バクバクさせる的も知らない。
まったりとした毎日が続いていたものだから平和ボケしていたが。
「あー、私はいつでも殺される立場にいるんですよね」
失態――失言だったと、“猫”は謝る。